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2021.11.15
【内定者ポートフォリオ公開】企業は新卒作品のなにを見ているの?~2Dデザイナー編~
#デザイナー #採用関連

みなさん、こんにちは。

採用担当の「えぬ。」です。

今夏より始まりました「採用担当者が書くブログ」
おかげさまで前回公開させていただいた「弊社説明会でよく頂く質問にお答えします」 の記事は
公開以降、たくさんの方に閲覧していただいております。
みなさま、ありがとうございます!

(っ・ω・)っ 前回のブログはこちらです↓
   プランナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【プランナー編】
   2Dデザイナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【2Dデザイナー編】
   3Dデザイナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【3Dデザイナー編】
   プログラマー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【プログラマー編】

ご好評を受け、このたび第二弾を公開させていただくこととなりました!

第二弾は、新卒の学生様向けに
「企業は新卒作品のなにを見ているか」 をテーマに、過去のジーン内定者作品を使用し、
選考担当者から見て、どこが評価の高いポイントだったのかを解説します。

説明会などで学生様から作品形式について質問を受けるとき、
「どんな作品を入れれば評価が高くなるのか」
「御社ではどんな作品が求められるのか」
というような質問を多くいただきます。

ゲーム業界への就職を目指す場合、ほぼ必ずと言って良いほど、どの企業でも作品選考が実施されるので
どんな作品を作れば良いのか、悩むことも多いですよね。
そこで今回は、少しでもみなさんの作品制作の参考になればと思い、
新卒2Dデザイナー編 / 3Dデザイナー編 / ゲームプログラマー編 の
三回に分けて、過去内定者のポートフォリオ解説を連載していきます。

※今回記載するポイントは、あくまで一部の内定者作品を使用した一例です。
本ポイントをクリアしていることが弊社の採用基準というわけではありませんので、ご注意ください。


今回は、新卒2Dデザイナー編です。

・2Dデザイナーとして業界就職を果たすためには、なにを意識すべきなのか。
・そのためには、日頃からどんな考えで、作品制作・ゲームを見れば良いのか。
などを、選考担当者から見た高評価ポイント箇所の解説とともにお伝えできればと思いますので、
よろしければお付き合いください。

それでは、早速いってみましょう!
今回、新卒2Dデザイナー編で解説するポイントは四つです。
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① 見る側の視点に立って、ポートフォリオ全体をデザインしている
② 「ゲーム業界へ入ってやりたいこと」 「いまの自分ができること」 をアピールしている
③ 絵に説得力がある
④ さまざまなテイストに挑戦し、発想・表現の幅広さをアピールしている
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一つずつ、解説していきたいと思います。


① 見る側の視点に立って、ポートフォリオ全体をデザインしている
内定者Aさんのポートフォリオは、見る側を意識し、
「見やすく」「伝わりやすく」なるようなデザインが行われていました。

藤本①-1.png

ジーンのようなゲーム制作会社で、2Dデザイナーの業務として多くの比重を占めるのは、UI制作です。
UI制作では、ただ見た目よくデザインするだけでは足りません。
UIは、プレイヤーがゲームを快適にプレイするために、欲しい情報を手に入れやすくしたり、
ゲームからの様々なお知らせを一目で理解できるようにしたりするために制作されます。

ゲーム画面全体の「見やすさ」 や 「わかりやすさ」 「操作のしやすさ」 にもっとも注意するのはモチロン
「ユーザーにどんなゲーム体験をさせたいか」
「そのためにはどんなデザインが最適か」
という考えをもって制作することがとても重要です。
そのためには、2Dデザイナーはプレイヤー側の視点にも立ち、
ゲーム側・プレイヤー側の両方の目線を持ってUIデザインする必要があります。

この「自分側・相手側、両方の目線を持って、デザインする」というのは
じつは、ポートフォリオに作品をまとめるときにも、同じように考えることができます。

藤本①-2.png


内定者Aさんは、見る側が読みやすいように
色使いに気を使ってページ全体に統一感を持たせたり、
見る側の目線が迷わないようにレイアウトを調整して誘導したり、
「自分が持っている、どのスキルについて伝えたいのか」
「ポートフォリオのどこを見てほしいのか」
考えてポートフォリオ全体をデザインできていました。

ポートフォリオの構成だけでも、2Dデザイナーに必要な視点を持っているか
アピールすることができますので、ぜひ見る側の視点を持って
ポートフォリオ全体をデザインしてもらえるとうれしいです。



② 「ゲーム業界へ入ってやりたいこと」 「いまの自分ができること」 をアピールしている
内定者Bさんのポートフォリオは、
まさに自分の「やりたいこと」「得意なこと」を前面にアピールしたポートフォリオでした。

林②-1.png

本記事の導入部分でも書いた通り、説明会などで学生様から作品形式について質問を受けるとき、
「どんな作品を入れれば評価が高くなるのか」
「御社ではどんな作品が求められるのか」
というような質問を多くいただきます。

それは、会社によって作品数やジャンルに指定があったり、求められるスキルが異なるから確認している、
というのもあると思いますが
中には「会社の作風に当てはまっていないと選考通過しないのではないか」という考えも
あるのかなとも感じています。

ポートフォリオとは、企業と学生とが最初に接触する場所で
お互いに、得意なこと・やりたいこと・業務とのマッチング性を知り合う、いわば自己紹介の場です。

ジーンでは、作品選考を実施している全職種において、学生様のポートフォリオを拝見させていただくときに
「この子はなにが得意なのか」「業界に入ってなにがしたいのか」を見ています。
ですので、少なくともジーンへ提出していただくポートフォリオは
できるだけ自分の「得意なこと」「やりたいこと」「できること」を詰め込んでもらえるとうれしいです。

林②-2.png
内定者Bさんは、そうした中で
「自分は、ゲーム業界に入って何がしたいのか」
「いま、自分には何ができるのか」
をしっかりポートフォリオに詰め込んでいました。
また、自分のアピールしたいことを詰め込む際、ページ全体のレイアウトも調整して読みやすくしており、
載せる作品の点数や割合にも気を配って、アピールしたいことへの熱量がしっかりと伝わる構成
だったのも高評価でした。


③ 絵に説得力がある
内定者Cさんのポートフォリオは、1点のイラストに
キャラクター・背景・小物など多くの要素を含んでおり、
それぞれが、そのイラストの世界観を構築するためにデザインされていました。

小橋川③-1.png

絵を描くことを仕事とするデザイナーにとって、最低限必要になるスキルは
モチロン 「絵が上手い(デッサンの狂いがなく、自分の想像した通りに表現できる)」 ということですが、
実際の業務では、それぞれの用途に適したデザインが求められますので、
ただ上手いだけではなく
「この絵は何を表現するために描くのか」
という意図をもって制作する、というスキルがとても重要になります。

ゲームに限らず、映画でもマンガでも、世界観・人物設定・キャラ感情・文化・関係性etc...は
すべてを文字で説明するのではなく、
キャラクターの目線や構図、小物や背景の色味などに置き換えて表現されていますよね。
キャラクターの表情や身に着けている衣装、背景の街並みや小物の一つも、
画面に表示される「すべて」が作品全体の世界観を構築する重要な要素となります。

小橋川③-2.png
内定者Cさんは、
キャラクターが持っているアイテムや、ポーズ・目線・背景など、すべてが意図をもってデザインしており、
かつ、見る側にとって読みやすいレイアウトにもなっており、
説得力のあるコンセプトアートを制作できていることから高評価となりました。

絵作りをする際は、ぜひ
「なぜこの小物はここにあるのか? 何のために、この形をしているのか?」
を意識してみていただければと思います。


④ さまざまなテイストに挑戦し、発想・表現の幅広さをアピールしている
内定者Dさんのポートフォリオは、それぞれ形式の違う作品制作に挑戦し、
各テイストのツボをしっかり表現していました。

左納④-1.png

ジーンでは、様々なジャンルのゲームを開発しています。
業務ではそれぞれにテイストの違うデザインを行うので、
各テイストにおけるツボを分析し、
そのゲームのジャンル・ユーザー層・遊びなどの要素を理解した上で、デザインすることが必要になります。

そのためには、日頃から作り手側の目線を持ち
「このゲームにおけるデザイン物には、どんな共通点があるのか」
「既存のゲームとは、どこが差別化されているのか」
「このゲームでは、どんなUIデザインや演出が行われていて、プレイヤーはどう誘導されているのか」
「自分ならどんなデザインをして、プレイヤーを楽しませたいか」
など、興味や疑問を持ってゲームをプレイしていると良いです。

そうすることにより、
自分の中でテイストのツボを分析する力や、
ゲームを構成する要素を分解・理解する力、
ゲームデザイナーとしての発想力・表現力の幅を広げることができます。

また、プレイする中で「格好良い」「かわいい」「感動する」など、感情が動く箇所があったのなら
「なぜそう思ったか」
「どの要素が、格好良い(かわいい)印象を与えているのか」
を細かく考察して、他人に説明できるレベルまで言語化するのも、幅を広げる上で大切です。

左納④-2.png
内定者Dさんは、テイストのツボを押さえているだけではなく、
作品ごとにテイストの差も作って提案していること・ポートフォリオ内では平面デザインだけではなく
立体物のデザインにも取り組んでいたことから、発想力・表現力の幅広さが感じられました。

一言にテイストといっても、様々なテイストが存在します。
ポップなデザインから、シャープでクールなデザイン、重厚感のあるデザインなど
ジャンル・ユーザー層・自分が表現したいこと......などに合わせて、
ぜひ幅広いテイストへ挑戦してみてもらえるとうれしいです。



いかがでしたか?
これらはあくまで、一部の過去内定者作品を使用した一例ですので、
必ずしもこれが、ジーンの採用基準というわけではありません。

最後に、2Dデザイナーとしての業界就職を目指すのであれば、
・絵が上手い(デッサンの狂いがなく、自分の想像した通りに表現できる)
・見る側の視点に立って制作する
・意図を持ってデザインする
は必須スキルになります。

そのためには、上記で書いたように
日頃から、様々なコンテンツやゲームを、ただユーザーとして楽しむだけではなく、作り手側として
「なぜこのコンテンツ・ゲームは面白いのか。どの要素が、その印象を与えているのか」
「なぜこの小物はここに置かれているのか。何のために、この形をしているのか」
「このゲームでは、どんなUIデザインや演出によって、プレイヤーの誘導がされているのか」
「デザイン面において、このゲームは他のものと、どう差別化されているのか」
「自分ならどんなデザインをして、プレイヤーを楽しませたいか」
など、自分の中で感じたこと・思ったことを言語化することが重要です。


ポートフォリオに正解はありません。それ故に、迷うこともたくさんあると思います。
ですが、どんな自分を見て欲しいか、
そのために、どんな方向性のポートフォリオにするか、どんなアピール方法を選ぶかは、
自分の 「得意なこと」 や 「やりたいこと」 を見つめながら、ぜひみなさん自身で、選んでください。
選んだその方法が、みなさんの熱量を余すことなく伝えられるものだと、うれしいなぁと思います。
今回の記事が、少しでもみなさんの作品制作の参考になれば幸いです。

次回は 【内定者ポートフォリオ公開】企業は新卒作品のなにを見ているの?~3Dデザイナー編~
をお届けします。
3Dデザイナー志望の学生様は、ぜひチェックしてくださいね✨


それでは、また次回。
えぬ。でした!