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2021.11.21
【内定者ポートフォリオ公開】企業は新卒作品のなにを見てるの?~3Dデザイナー編~
#デザイナー #採用関連

こんにちは。
最近、同じ採用チームの上司と先輩から
アニメ"ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン"を布教され
ティッシュを箱ごと抱えて号泣しました、採用担当のかーりーです。

タイトルだけは知っていたんですが、今までなんとなく見てなかったのを後悔しました。
リアルタイムでアニメも映画も見ておきたかった......ッッ!!(血涙)
とにかく作画が綺麗で丁寧で、サラッサラの髪の毛やドレスがひるがえる様子を
眺めているだけでも時間が溶けていく今日この頃です。

さて、作画と言えばCG、
CGと言えば3Dデザイナーですね!(話の入り方が無理矢理というツッコミはスルーしますm(__)m)

今日は、前回の採用ブログ第二弾
【内定者ポートフォリオ公開】企業は新卒作品のなにを見ているの?~2Dデザイナー編~  に引き続き、
過去内定者が就職活動の際、実際にジーンに提出したポートフォリオを例に挙げて、
「企業は新卒作品のなにを見ているか」 をテーマに
選考担当者から見た、ポートフォリオの評価ポイント~3Dデザイナー編~
を、解説していこうと思います。

※今回記載するポイントは、あくまで一部の内定者作品を使用した一例です。
本ポイントをクリアしていることが弊社の採用基準というわけではありませんので、ご注意ください。

100人いれば100通りのカタチがあるのが "ポートフォリオ" なので、
この記事が、今、ポートフォリオづくりに悩んでいる方にとって
少しでも、ヒントや手がかりになれば嬉しいです。

(っ・ω・)っ ちなみに、これまでの採用担当者ブログシリーズはこちらです↓
気になる方は読んでみてくださいね!
プランナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【プランナー編】
2Dデザイナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【2Dデザイナー編】
3Dデザイナー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【3Dデザイナー編】
プログラマー編 :弊社説明会でよく頂く質問にお答えします【プログラマー編】


それではいきましょう✨



今回ご紹介する作品が、選考の際に評価されたポイントは、ズバリ3つ。

① 【細かいディテール】 を追求できている
② 【見る人にどう思わせたいか】 を意識して作られている
③ 【新しい知識や技術を習得する意欲】 が高い

......それって、具体的にどういうことなの? ということで、
AさんBさんの2名の作品を使って説明していきます。


① 【細かいディテール】 を追求できている
どんなテイストの作品でも、
そのキャラクターやシチュエーションに合った素材を使えているか・
細かいディテールの部分を表現できているか は重要です。

たとえ表面上の見た目はキレイに作られていても、
構造が正確に把握できていないと、途端に作り物っぽくなってしまいます。
そのモチーフが、
「実際はどのようなつくりになっているか」
「どのような動きをするのか」
をきちんと考えて制作できているか、という点は、作品のクオリティに直結するポイントのひとつです。
このポイントを押さえられている作品は、対象物の構造を正確に理解できている、ということになります。

■さまざまなバリエーションのキャラモデル作品を掲載
《Aさんの場合》
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アニメ寄りのミドルモデル・リアル寄りのハイモデルなど、さまざまな作品を
ポートフォリオに掲載していました。
作品のテイストが特定の属性に偏っていないことから、対応力の高さがうかがえます。

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モデルの構造や関節の形状も不自然になっておらず、現実に即した作成ができていました。


■細かい箇所までこだわって、粘り強く制作できることをアピール
《Bさんの場合》
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どの作品も、細部のテクスチャや描き込みまで手を抜かずに制作している点を
ポートフォリオ内でアピールできていました。

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建築物の場合、
使用されている素材の質感や、建築物自体の構造を考慮しないで制作すると
世界観がチグハグになったり、現実とはかけ離れた不自然なものになってしまう
ので、制作するときは
「現実のものと比較した時に、矛盾する構造やテクスチャになっていないか」
といった細かい箇所まで突き詰めると、作品に説得力を持たせることができます。


② 【見る人にどう思わせたいか】 を意識して作られている
デザイナーの作品は、最終的にゲーム画面の一部としてユーザーの目に触れるものになります。
ですので、ポートフォリオに載せる作品を作る際も、
単なる背景・キャラモデル単体として作るのではなく、
その作品が「見る人にどう思わせたいか」を考えて、
ポーズ・レイアウト・ライティングなどを工夫した作品づくりができているか を意識して作ると
出来栄えにも差が付いてくると思います。

■可愛いものはより可愛く、カッコイイものはよりカッコよく!
《Aさんの場合》

ブログ使用_5枚目.png

ただモデルがT字立ちしている画像だけではなく
リグを自作してポーズやフェイシャルアニメーションを付けたり、
キャラの背景もきちんと制作するなど、
「可愛いキャラを、より可愛く見せる」ための工夫ができていました。


■目に見えるところはすべて作品。 あらゆるところに気を配る
《Bさんの場合》
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モデルだけでなくライティングや構図も意識して制作しており、
細部までこだわっていることが伝わる作品になっています。

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作品全体のクオリティを高めるためには、
その作品の「売り」=一番魅力的な部分はどこなのか?
を考えた上で、その部分に時間を割いて制作する必要があります。
自分の作品のアピールポイントを、見る側に伝えるために
細かいところまで妥協せずに作りきってもらえると嬉しいです。


③ 【新しい知識や技術を習得する意欲】 が高い
CG技術は日々進化しています。
そのため、デザイナーはつねに新しい知識や技術を自ら習得しようとする意欲が必要となります。
常に新しいスキルを研究する姿勢があるかどうかは
業界に関わらず、プロのデザイナーとして働いていく上で重要なポイントです。

■「将来はスペシャリストになる」 という可能性を、ポートフォリオで示唆する
《Bさんの場合》
ポートフォリオから、背景作品に関しては高い技術力と知識があることが読み取れます。
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いずれの作品も、ユーザーからの見え方を意識して制作できており、
細部まで突き詰めて完成させられていることから、クオリティにこだわりを持ち
将来的には背景のスペシャリストとして成長していくんだ、という気概が感じられました。

■スキルの幅を広げる意欲があることを、思いっきりアピールする
《Aさんの場合》
ブログ使用_9枚目.png
Aさんのポートフォリオでは、
キャラをメインにしつつも、絵コンテやアニメーションの制作実績など
3Dデザイン以外の技術にも積極的に取り組んできたことが、ポートフォリオからわかります。
新しい知識や技術を積極的に研究・習得するという意欲があることが感じられました。



いかがでしたか?
最後に、3Dデザイナーとしての業界就職を目指すのであれば、
作品制作の時だけでなく、普段の生活の中でも以下のことを意識しておくと、
より良いと思います。

■大切なのは 【自分ならどうやって作るか?】 という目線を持つこと
日頃から、ゲームをプレイするときは、ただユーザーとして楽しむだけではなく、作り手側として
「もし自分がこのデータの作成を任されたとしたら、どうやって作るのか」
と考えながらプレイする目線を持つごとが、デザイナーとして重要です。
ゲームによっては開発方法などを公開している場合もありますので、
その内容を参考にして、自分でもトレースしてみることで
実際の開発現場のレベルに沿ったデータ作成方法を知ることができると思います。

また、どうやって作られているのかが分からないものでも、気になったことをどんどん調べて、
「こうやって作っているんじゃないかな?」と、自分なりの回答を見つけることも大切です。
サンプルを見つけて、それを自分なりの手法として作業へ落とし込むことは、
プロとして働く上でも必要なスキルになるので、
ゲーム内に気になった動きや表現があるときは、ぜひ積極的にどうやって作られているのかを調べ、
自分が制作する時に、それを参考にして試行錯誤してみると良いでしょう。

■他の人を良い部分を、どんどん参考にしよう!
ゲーム業界で活躍するデザイナーはみんな、日ごろから
書籍や情報サイトをチェックしたり、他のクリエイターの作品を見ることで
常に新しいテクニックや、トレンドの技術を取り入れようとしています。
今できることのスキルを伸ばしていくだけではなく、
「いいな」と思った作品を意欲的に模倣して、実際に自分の手で作ってみたり
興味を持った技術をどんどん吸収していく習慣は、
学生のうちから身に着けておくと、業界で働くようになってからも
きっと役に立つと思います!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

今回の記事では、ジーン内定者の作品を例に挙げていろいろと説明させていただきましたが、
一番大切なのは、
自分が好きなモノは何なのか・何にこだわって作品制作に取り組んできたのかを表現し、
ご自身のアピールポイントを企業に伝えることです。

もし、今回の記事をきっかけに
ジーンに応募してみようかな、と思われた方がいらっしゃったら、
その時は、ご自身の個性と「これが好き!」という気持ちを、
存分に表現していただけたら、と思います。

次回は、ゲームプログラマーのポートフォリオ解説をお届けする予定です。
こちらもぜひチェックしてみてくださいね!

それでは、かーりーでした~。